Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVES大阪で暮らす、ゆかりのある人をゲストに迎え、大丸心斎橋店をめぐってもらう「PROFESSIONAL‘S EYES」。今回は大阪出身で沖縄の芸術大学を卒業、その後ベトナムや全国各地で創作活動をするアーティストの遠藤薫さんが登場。工芸の歴史背景や近代に注目し、その土地土地の歴史や文化にふれた作品づくりをする遠藤さんの視点で、館内をフィールドワークしてもらいました。
「小さい頃はお家の人に連れられて、中学や高校の頃は友達とよく心斎橋にも遊びに来ていて、歩いていると大丸心斎橋店のヴォーリズ建築が必ず目に入って、なんかめっちゃかっこええなあと思っていました。百貨店ってこういうものだと思ってたんですけど、他の百貨店に行くと、いろんな建築様式があるんやなあって。私の中の百貨店といえば、これ!この建築です。」
おばあ様が玉造に住んでいて、幼少の頃からよく連れてこられたので、大丸心斎橋店にはなじみがあったという遠藤さん。通った小中学校は上本町にあり、ミナミの街にも足繫く通ったそうです。
「大丸心斎橋店は建て直されましたけど、この建築が残されてよかった。私、聖堂の中ではドイツのケルン大聖堂が一番好みなんですけど、そのようなゴシック建築とイスラムのモスク風の建築が組み合わされたデザインだと思います」
遠藤さんは、スペインのアルハンブラ宮殿を訪れたことがあるそうですが、その中にあるモスクと大丸心斎橋店の建物の意匠が似ていると感じたそうです。
「ヴォーリズさんがどういう気持ちで大丸心斎橋店を建てたのかは想像するしかないんですが、モスクのようにしたのは“祈りの意匠”にしたかったのかなあ。ヴォーリズさんは教会の設計が多いので、そういうこともあるんかなと思ったんですよ。長年、私がゴシック様式のケルン大聖堂や幾何学のアルハンブラ宮殿に心動かされる理由は、もしかしたら、幼少の頃の大丸さんの記憶が潜在意識に根付いてるんかも」
百貨店は毎日人が行き交って文化が生まれるパワースポット。よりよく生きていこうとする人々の想いの現れとして、ヴォーリズがモスク風のデザインを採用したのでは? という遠藤さん。いろんな想像力をかきたてるヴォーリズ建築です。
ヴォーリズ建築の余韻をもう少し楽しもうと、次に訪れたのは大丸心斎橋店本館5階の「SALON de thé VORIES サロン・ド・テ・ヴォーリズ」です。
「ここって『英國屋』系列なんですよね? 難波にある店は、小さい頃から家族で出かけるときによく立ち寄る喫茶店でした。懐かしい。大阪の定番といえば『英國屋』。メニューでおすすめはありますか?」
遠藤さんのリクエストにスタッフが薦めたのはアフタヌーンティーセット。他の系列店にはない、「サロン・ド・テ・ヴォーリズ」オリジナルのメニューです。
マリーゴールドとコーンフラワーが入ったオリジナルブレンドティーを飲みながら、ツナサンドをひと口食べた遠藤さん。
「おいしいです。お紅茶は明るくて元気になる感じ。サンドはトラディショナルな味。でもツナマヨネーズっていつ頃どこでつくられるようになったんでしょうね? イギリス? アメリカ? あとで調べておきます」
※アフタヌーンティーセットのツナサンドはハムとキュウリのサンドに変更(2023.09.11現在)
ものの歴史や成り立ちに好奇心旺盛な遠藤さん。それはこれまでの創作活動から生まれたのでしょうか? 工芸作家がつくる琉球ガラスをテレビで見て魅かれ、沖縄県立芸術大学に進んだ遠藤さんに、卒業後はどのように作品づくりをしてきたのか聞いてみました。
「卒業してすぐは、関西で何ができるかを考えて、大阪の伝統的な染め物、注染染めの工房で働いて、そこからさらに地元の染色を知りたいと思って織物の人間国宝である志村ふくみさんの学校へ。それから縁あってベトナムに3年ぐらい住んでたんですが、コロナで帰国し、青森に行って、愛知に行って、日本津々浦々。もうずっとウロウロしていています(笑)」
呼ばれる土地土地で、数ヶ月ほどアーティスト・イン・レジデンスなどに参加し作品づくりをするという遠藤さん。この1年は神戸に縁があり、昨年は三ノ宮近くの突堤にある旧住友倉庫で展示、この9月からは兵庫県立美術館で個展『美術の中のかたち一手で見る造形・眼と球 展』が開催されます。
拠点を国内外のあちこちに移してきたという遠藤さんに、あらためて外から見た大阪のよさを聞いてみました。
「そうですね。やっぱり言葉がいいなあ。音が好きですね。小説でも町田康さんとか川上未映子さんとか、大阪出身の作家さんてリズムが独特じゃないですか。私も文章を書いたら、関西弁を使ってなくても『リズムが独特』と言われるんです。確かに、一度音を頭の中で出して、リズムがよくないとわざわざ言葉を変えたりしますね。地方に行くと大阪弁を抑えたりしてたんですけど、今はもうコテコテの関西弁でやってます。めちゃくちゃ健康にいいですよ(笑)」
アフタヌーンティーセットの味も、大阪のよさにつながったようです。
「『英國屋』は、確か60年ぐらい前に創業していると思うのですが、このアフタヌーンティーセットもその頃の感じが受け継がれているような気がします。大阪のいいところのひとつはベタで型があるところかなあ。会話にも伝統とも言えるような型がある。食べ物も全体的に甘くて、もっちりしっとり水気があって、言葉遣いとか、人とのつきあい方もなんかベタベタで。ベタベタのベタ。改めて、そんな感じが愛おしく思えます」
※2024年7月をもって閉店いたしました。
遠藤さんは当時、「東京ビエンナーレ2020/2021」にて銀座のギャラリーに出展する計画があり、全国47都道府県にある“銀座”をめぐりました。銀座を日本の近代の象徴とし、そこで見つけた何かを展示するというプロジェクトを敢行。島根県を訪れた際には、世界遺産でもある石見銀山を訪れました。(コロナ禍のため大規模な展示は辞退。森岡書店銀座店にて旅の記録本を展示販売を行いました)
「東京銀座の前に、大阪の高麗橋付近に銀座跡地があったりするんですよ。こんな感じで日本列島の金座、銀座、銅座のことを調べたり、実際に銀の鋳造場に訪れたりしているうちに、銀を産出していた銀山にも行かないといけないなと思って、石見銀山がある島根の大森町にも訪れました。とてもいい街やったんですが、長居できなくて残念に思ってたんです」
その大森町を拠点に、“根のある暮らし”のためのものづくりをしているのが「石見銀山 群言堂」です。
店内中央にある茅葺屋根の古民家が写った写真に興味津々なご様子の遠藤さん。これが大森町にある本社の一部で、真ん中に写るのが創業者の松場大吉・登美さんだということを知ると…「えっ、これが本社ですか! すごい。あっ、そういえば大森町に行ったときも、めちゃくちゃ趣がある家がたくさん並んでいていいなあと思ってたんですけど…これ本社ですか? 今すぐ本社に行きたいです!」
自然に囲まれた里山で、土地の匂いや季節感を感じられるような色合いや柄、あたたかみが「群言堂」のものづくりの特徴だとスタッフに教えられた遠藤さんは、興味深そうに店内を見て回ります。
「これ石見焼ですね。緻密な粘土が高温で焼かれていて耐久性があって、塩や酸・アルカリにも強いから漬物壺に最適なんですね」
その地に根ざした工芸と歴史や文化の関係性をひもときながら作品づくりをする遠藤さんは、まずは島根県の伝統的な焼き物に注目。島根県江津市で1935年に開窯した嶋田窯では、今でも登り窯が使われていることに感心します。
そして、「これ、石州瓦だ」と思わず手に取ったのが、島根県の木工ブランド「iyasaka」のティッシュボックスです。
「石州瓦がすごく好きで、破片が道端に落ちとったら拾って見つめます(笑)。島根県芸術文化センター『グラントワ』さんは壁と床、屋根一面に朱色の石州瓦が貼られていて、渋い建物ですよね。はじめて訪れた時は圧倒的な質量に目眩して、倒れそうになりました」と遠藤さん。
さらに商品棚を見て回る遠藤さんは、お茶のコーナーでふと目を止めます。
「このお茶、黒文字が入ってますね。石見銀山に行ったときに教えてもらったのですが、和菓子を食べる時のつまようじの材料になる黒文字の木は、銀山の坑夫が酸欠にならないように黒文字を大量に炊いてその香りの湯気を坑道に送っていたそうです」
布を使った作品も多い遠藤さんは、美しい色が並ぶワンピースにも目がいきます。
「黄色は、セイタカアワダチソウを染料にしています」というスタッフの説明に、「これ、都会の雑草として有名なセイタカアワダチソウで染めているんですか! きれい。生命力がありそうな植物だから、これで染めた服を着ていると元気になりそう。藍も昔から薬として飲まれてましたし、よく染まる植物は漢方薬になることが多いですよね」と遠藤さん。
全国にショップを展開する「群言堂」では、ショップの規模に合わせて各店がそれぞれ空間演出をしますが、店舗面積が広い大丸心斎橋店では、ディスプレイも楽しく工夫が凝らされています。
「ディスプレイは実際に使われていて倉庫などに眠っていた道具などを取り入れて、群言堂らしいディスプレイに仕上げています。これは紡績工場で使われていた糸巻きですね」というスタッフの説明に対し、「わー、私も糸巻き集めてます。作品は、基本的にこういう道具で自分の手で織ります」と遠藤さん。
遠藤さんは布を使った作品が多く、大きいものだと50mもの作品を手織りで紡いでいるそう。
「青森のおばあちゃんが作品を見て、『あんたこれ、1年かけて織るもんやで』って(笑)。実際は10日ぐらいで織り上げたんですけどね。結構そういう体育会系のものづくり、好きなんです。船とかパラシュートとか、大きくてかっこいいのが」
「ああ、懐かしい。私、歴史にすごく興味があるので、お店の名前の由来とか聞いてみたいです」
そう言って遠藤さんが訪れたのが「ロクメイカン」。銀座が本店で、1946年創業の和菓子「宗家 源吉兆庵」が1992年に新しく立ち上げた洋菓子ブランド。中でも看板商品が彩り鮮やかなフルーツゼリーです。
「1992年創業ですから私が4歳のときですよね。小さい頃におばあちゃんの家で『ロクメイカン』のフルーツゼリーを食べた記憶があります。日本の翁飴とパリのパート・ドゥ・フリュイを掛け合わせたような、明治生まれの”日本フルーツゼリー”。この独特な噛みごたえが大好きなんです」と遠藤さん。
フルーツゼリー12種類が入った「ロクメイカン」の看板商品「恵みのしずく」を見て「きれいですね」と遠藤さん。ブルーベリー、いちご、クランベリー、オレンジ、レモン、マスカット、グレープ、メロン、パイン、りんご、マンゴー、ピーチのラインアップはラズベリーがクランベリーに変わった以外、創業当初から同じ顔ぶれだそうです。
「明治時代、社交場として建てられた鹿鳴館は西洋文化を初めて取り入れて、先進的な洋菓子を出していて、そこから世間に広がっていく窓口的な役割があったようです。そういうふうにこのブランドでも季節感のある商品をつくってさまざまな方に食べていただきたいという想いをブランド名に込めています」
遠藤さんのクエスチョンに答えてスタッフがそう解説してくれました。
「世界と交わる鹿鳴館で当時はどういうお菓子が食べられてたんやろう? すごく興味あるなあ…調べてみますね」と遠藤さん、日本における西洋菓子の生い立ちにも興味が出たようです。
続いて訪れたのは、神戸に本店を置く老舗洋菓子メーカー「ユーハイム」です。
「ユーハイムのお菓子はシンプルで素材が良いのでめっちゃおいしくて好きです。特に歴史が。創業者がドイツ人捕虜で、今の原爆ドームでバウムクーヘンを焼いたという成り立ちにすごく惹かれまして」と遠藤さん。
遠藤さんが言うように、創業者のドイツ人、カール・ユーハイム氏は捕虜として日本人に連れてこられ、1919年に広島県物産陳列館(今の原爆ドーム)で日本で初めてバウムクーヘンを焼きました。
「その後、横浜で日本の1号店をオープンさせたのですが、関東大震災で被災し、神戸でお店をオープンさせたのが1923年なんです」とのスタッフの又吉優衣さん。
又吉さんの言葉を受け、遠藤さんは、「本店でケーキも食べました。同じく神戸にある『ゴンチャロフ』や『モロゾフ』も亡命したロシア人がお菓子作りを伝えたことが創業のきっかけになってますよね。文化が交ざりあい衝突することで新しい何かが生まれること。港町である神戸はそういう場所で惹かれます」と遠藤さん。
その成り立ちにも興味があるが、不要な添加物を使わないおいしさが好みで、ビスケットもびっくりするぐらい後味がいいと遠藤さんは言います。
「おばあちゃんによう言われていたのは、 “おいしい食べ物はスッとなくなる感じがする” ってこと。食べたあとに変に残らない味はいいやつやでと言ってました。このビスケットはその感じがあって、めっちゃ好きなんです」
2023年8月14日に「無添菓宣言|/0(スラッシュゼロ)」を宣言。自社のお菓子を「無添菓(むてんか)」と名付け、品質表示の原材料名の欄に食品添加物があることを表す「/」以降を0とし、食品添加物に頼らないお菓子づくりをしているのです。
子育て中の遠藤さんは、「これなら不要な添加物が入ってないので、安心して食べさせられる。子どもがいる家庭への贈りものにもいいと思います」
「親子で食べてくださっている方は結構多いです」と又吉さん。
「この缶のパッケージがまたいいんですよね。最近デザインが一新されて、気に入ってもうすでに買いました。ビスケットを食べた後も使えるのもいいですよね」と遠藤さん。
「ユーハイム」では、バウムクーヘンやテーゲベックのパッケージデザインを、昨年から順次変更していて好評を得ています。
「ケルン大聖堂もドイツですが、大学でもドイツ語専攻で、ドイツの映画も好き。自然農法も先進的ですし、哲学も。お気に入りの喫茶店はいつもなぜだかドイツやウィーン風のものが多いです」
ドイツびいきの遠藤さんがお気に入りのドイツ生まれのお菓子は、時代に合わせてますます進化しているようです。
「高校生だった頃、デンマークのインテリアデザイナー、アルネ・ヤコブセンのセブンチェアやスワンチェアに憧れていました」
そう話す遠藤さんが最後に訪れたのは「ROYAL COPENHAGEN(ロイヤル コペンハーゲン)」。18世紀のデンマークで、女王によって創設された王立磁器工場をルーツとし、現在も伝統と誇りを守るテーブルウエアブランドです。
「ぼーっとしに喫茶店に行くのが好きで、そこで『ロイヤル コペンハーゲン』のうつわが出てくるとなんだか嬉しいんですよね」と遠藤さん。
2019年の「shiseido art egg13」で大賞を取った頃から、銀座の「資生堂ギャラリー」に足を運ぶことが多かった遠藤さん。同じ花椿通りにある「椿屋珈琲 銀座本館」で、「ロイヤル コペンハーゲン」でいただくコーヒーや食事が楽しみだったそう。
「『椿屋珈琲』のうつわは、全部ブルーフルーテッド(プレイン)でした」と遠藤さん。
ブルーフルーテッド プレインは、「ロイヤル コペンハーゲン」の工房が開窯されて最初に制作されたコレクションで、熟練のペインターがひとつひとつ手描きをして完成させるブランドの象徴的な存在です。
「ブルーフルーテッドのデザインは創業当時から変わらないですね。プレインをベースに、縁取りを豪華にしたフルレースなど、よりゴージャスになったシリーズが生まれています」とスタッフの國森麻紀さん。
白にブルーが美しい様々な磁器が並べられた店内を見て回っていた遠藤さん、ふと「これは、ブルーフルーテッドの柄の一部を切り取ったものですかね?」と手に取ったのがブルーフルーテッド メガのうつわ。
「そうです。ブルーフルーテッド プレインの一部を大きくし、柄がアシンメトリーになっています。2000年に発売されました」と國森さん。
「あーなんかいいですね。サンプリンングの感じが2000年っぽい。描かれる唐草紋様は繁栄や長寿を願う吉祥紋様ですよね。ヤコブセンのセブンチェア、アントチェアなどは近代的な工業デザインですが、こちらの王室らしい贅の尽くし方は対極で、なんだかお茶を飲むのにも背筋が伸びる思いがします」と遠藤さん。
さらに、遠藤さんが「これは見立てですよね」と注目したのは、ロイヤル クリーチャー。2021年に発表されたシリーズで、デザインデュオ、ガムフラテージによるデザイン。スワン、フィッシュ、オクトパス、スターリング(ムクドリ)、ドラゴンフライ(トンボ)、グラスホッパー(トンボ)などの柄があります。
「おっしゃるように、ブルーフルーテッドの柄を、翼や花に見立ててデザインしています。すべて水辺に生息している生き物を描いております」と國森さん。
「私が『ロイヤル コペンハーゲン』を好きなのはなんでやろう? と考えたんですが、補色の関係性は、民藝でいうところの“不二”のような相反する二つが一つになる関係性がいいのかなと」と遠藤さん。
ブルーフルーテッドの深い青とコーヒーの褐色は補色に近い色相関係。対極にある2つが融合している色合い、形が人を惹きつけるのではないかと遠藤さんは言います。
「自分の作品でも相反する2つのもの、生と死や善悪などを融合させています。負の歴史はあるけど、良いも悪いも強みに転化させるみたいな。たとえば、琉球ガラスは戦後の原料不足で駐留米軍の廃瓶などを再利用した歴史があります。つくる過程で泡がどうしても入ってしまうけど、その泡をむしろ利用して意匠に昇華とする、というような」
「ロイヤル コペンハーゲン」の愛で方についても、遠藤さん独特の視点を披露してくれました。
「お気に入りの喫茶店の中には、『ロイヤル コペンハーゲン』を大事に、神棚のようなところにお守りや捧げものみたいに飾られている店もあって。あっ、長年大事にされているんだなって嬉しくなります。うつわって使われてこそというところもありますが、使われずに置かれているだけの工芸品も、祈りの形として”使われてる”んやな、って思って」
人々の祈りが行き交う“神殿”のようだと百貨店で、さまざまな歴史、文化、デザインと交じりあった遠藤さん。その場所に根づいた創作活動が、これからどのように展開していくかますます楽しみです。
1989年大阪府生まれ。2013年、沖縄県立芸術大学工芸専攻染織科卒業。2016年、志村ふくみ主宰アルスシムラ卒業。国内外各地でその地に根ざした工芸や歴史、生活と密接に関わる政治との関係性を紐解き、主に「布」を用いて作品を制作する。2020年「閃光と落下傘」(青森公立大学 国際芸術センター青森)、2020年〜2021年「東京ビエンナーレ」(東京・銀座の46軒のギャラリー)、2021〜2022年「琉球の横顔」(沖縄県立博物館・美術館)、2022年「STILL ALIVE: 国際芸術祭あいち2022」、2023年「Osaka Directory 3」(大阪中之島美術館)など近年の展示も多数。9月9日〜12月24日、兵庫県立美術館で個展『美術の中のかたちー手で見る造形 眼と球 展』が開催中。
写真/西島渚 取材・文・編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 編集・プロデュース/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
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