Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
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PROFESSIONAL'S EYES Vol.72
長沼美衣奈、多田憲伸|エレクトーン奏者
大阪にゆかりのあるゲストを迎えて大丸心斎橋店を巡ってもらう「PROFESSIONAL‘S EYES」。今回は、今年の1月から、関西の朝を代表するテレビ番組『おはよう朝日です』のエレクトーン奏者を務める長沼美衣奈さん、多田憲伸さんが登場。フレッシュな2人が、自分たちが好きなもの、興味あるものを見つけに館内を元気に巡ります。とても息の合った2人のテンポのいい掛け合いも楽しい、百貨店めぐりです。
「音楽教室のレッスンバッグって、みんな『ファミリア』さんのトートバッグを持ってたイメージない?」(長沼)
「そう!そうやねん。幼稚園の頃とか」(多田)
長沼さんと多田さんが、まず訪れたのは、神戸発、ベビー・子ども関連ブランド「familiar(ファミリア)」。長沼さんは月曜・火曜・水曜担当、多田さんは木曜・金曜担当と番組でいっしょになることはないのですが、イベントなどに2人で出演することも多く、とても気が合うエレクトーン仲間として、来店早々テンポのいいトークが飛び交います。
多田さんは、赤ちゃんの頃から「ファミリア」の商品になじみがあるそうで、「母が好きで、その影響は大きいですね」。
店内の一角に飾られているトートバッグを見て長沼さん、「これです! みんながこういうトートバッグを持って、音楽教室に来ていました。ちょうど楽譜とかも入るサイズなんですよ。そして…このトートバッグ、自由にカスタマイズできるんですね。知らなかったです」という言葉に、店長の杉本美紀さんは、「カスタマイズができるのは、全国の『ファミリア』の中でも大丸心斎橋店だけなんです」
「えっ!そうなんですか!」と驚く2人。
「はい、世界でひとつだけのおカバンをつくることができます」と杉本店長。
神戸の本店でも、年に数回イベントでカスタマイズできる日があるだけで、常時行っているのは大丸心斎橋店だけだそうです。
「このシューズケースもかわいい」と目に留めた長沼さんは、「エレクトーンを弾くときに、普段履いているスニーカーとかだと、ペダルを踏む足の感覚が伝わりにくかったりして、私は底の薄めの靴を履いていました」
「そやな。バレエシューズみたいなやつな」と多田さん。
カスタマイズコーナーを離れて、楽しそうに店内を見て回る2人ですが、「あっ、これ持ってます」と多田さんが手に取ったのがエコバッグです。
それを見ていた長沼さん、「『ファミリア』さんのエコバッグがすごくよくて、売り切れ続出って友達などからよく聞くんですよ」
「よく売れています」と杉本店長。人気の理由のひとつとして、両端を引っ張ると一気に帯状になり、一瞬で簡単に折りたためるからと説明してくれます。
その話を受けた長沼さん、早速買い物をしてからたたむまでの流れを実践してくれて、場は大盛り上がりです。
エコバッグが並ぶ棚の下段を見て、「このコンバース、すごくかわいい」と長沼さん。
「最近『ファミリア』ではコラボアイテムがすごく多いんですよ。これはベビー用から、27cmの大人が履けるサイズまでご用意しております。親子でリンクコーデされる方もいます。あと『HUNTER』とコラボしたレインブーツもあります」と杉本店長。
「レインブーツの背面部分に、さりげなくファミリアチェックがあしらわれているのがかわいいですね」と多田さん。
さらに2人は、かわいい子ども服がたくさん並ぶコーナーへと進みます。杉本店長が手にしたワンピースを見て、またまたエレクトーン奏者2人が盛り上がります。
「こういうワンピースって、発表会のときに着てなかった? こういうのを着て、小さい手でエレクトーンを弾いて。ちょっと恥ずかしながらね」(長沼)
「そうそうそう。襟がついててね」(多田)
「憲伸くんはどんな服を着てた?」(長沼)
「言われてみれば『ファミリア』さんの服、発表会で着てたかも」(多田)
盛り上がる2人に、「こういう感じですよね」と男の子用のトップスとパンツを差し出した杉本店長に、「これこれ!」と2人同時に指を指します。
「かわいい!こういうの絶対着てた。これにローファーも履いてた!」(多田)
「どんな曲弾いた?」(長沼)
「なに弾いてたんやろう?忘れたなあ」(多田)
「これもかわいい! あっこれも!」とはしゃぎながら、どんどん店内を見て回る長沼さんと多田さん。よだれかけのコーナーでは、また刺繍が施されているオリジナル商品があるのを見て、「これも常時カスタマイズできるんですね。出産祝いの贈り物にいいですね」と長沼さん。「かわいいな」と多田さん。
最後に、この秋冬の新作デニムバッグに「やっぱり、かわいいなあ」と見惚れる2人。
「年2回、デニムバッグのデザインが変わっていきます。職人さんがひとつひとつ手刺繍でつくっていて、毎シーズン買っていただいているお客様もいらっしゃいます」と杉本店長。
「『ファミリア』さんのことはよく知っていますが、普段店内をこうやってゆっくり見て回ることがないから新鮮です」と長沼さん。
幼少期の音楽活動のことも思い出し、2人にとって貴重な機会となったようです。
めいっぱい百貨店を楽しむ2人が次に訪れたのは、カナダ発のコスメブランド「M・A・C(マック)」。すべての年齢・人種・性別のために、革新的な製品と最先端のメイクトレンドをプロのアーティストによって発信続けるメイクアップブランドです。
「『おはよう朝日です』に出演するようになって、自分の顔がどのように見られているかがより気になるようになったので、自分に合うメイクやカラーを知りたい」と訪れた長沼さんに応対してくれたのは、「マック」のトップアーティスト・好川舞さん。多田さんには、ここでは少し休憩をしてもらいます。
「リップは、自分でいろいろ持っていますが、結局赤が濃いめの色を使うことが多いですね。『マック』さんはリップの色数が多いので、プロのアーティストさんに、自分に似合うカラーを教えてもらえるのを楽しみに今日来ました」と長沼さん。
ブランド全体では100色以上あるというリップの中から、手のひらに試し塗りしながら、長沼さんに似合いそうな色を選んでいく好川さん。
「ふだんは赤を選びがちということですが、お話を聞くと、大人っぽくなりたい、本当は今流行っているオレンジブラウンも気になるということだったので、濃い茶色で暗くなりすぎないよう、ほどよいところでおしゃれ感を出すようにしました」と選んだのは「ラスターガラス リップスティック」のポッシュ ピット(4,400円)です。
丸いミラーの前に座って、まずは「プレップ プライム リップ」を使って、唇の色補正*と形補正*をしていきます。* メイクアップ効果によるもの。
「おしゃべりしている間に乾いたりするので、これを塗っておくとなめらかに唇の表面を整え、リップが取れにくくなります」と好川さん。
リップを塗りながら、「唇の外側よりも、真ん中あたりから塗るといいですよ」と好川さん。グロス「リップガラス エアー」のフロスティング(3,740円)で仕上げをします。
「めっちゃいいですね!ちょっとピンクがかっていて。すごい、モデルさんみたい」と喜ぶ長沼さんに、「元々長沼さんの唇の形はとてもきれいなので、かわいくというよりは上品な感じにしました」と好川さん。後ろで見ていた多田さんも「きれいやなあ」と満足そうです。
リップのメイクが終わったあとは、9月3日に発売された「マック」初のリキッドタイプのハイライトを頬に塗っていきます。
「すごーい、ツヤツヤ!ハイライトって大体パウダータイプですよね。リキッドって初めてです」と驚く長沼さんに、「乾燥しにくく粉っぽく見えないので、潤い、ツヤ感が出ます」と好川さん。
「続いて“人間やめるパウダー”を塗っていきます」と好川さん。えっ、“人間やめるパウダー”って?
「正式名称はかなり長いので、お客様が親しみを込めて愛称をつけてくれるんですよ。こちらは、人間にあるべき毛穴がなくなったかのようにきれいなお肌の仕上がりになるので、そのように名づけられました」と好川さん。
さらに、愛称がつけられたコスメとして、“おもちチーク”を頬に施していく好川さん。
「ツンツンしていただけると、名前の由来の感触がわかると思うのですが」という好川さんの言葉に、おもちチークの表面をつつく長沼さんは、「ぷにぷにしています!」
ここで、長沼さんにメイクに関する悩みを聞いてみました。
「もともとメイクが得意ではなくて、ここ半年ぐらいはひたすらYouTubeを見たり、友達に教えてもらったりして勉強しています」と。
続いては、アイシャドウです。「アイシャドーはいつもブラウン系ですか?」という好川さんの質問に、「今日はそうなんですけど、ピンク系も使っています。結構ラメも好きです。4色が入っているパレットを使っていればいいのかなと」長沼さん。
「エクストラ ディメンションアイシャドウ ア ナチュラル フラート」、「ダズルシャドウ ラストダンス」、「ダズルシャドウ エクストリーム クチュール コッパー」の3つのアイテムを使って、好川さんがまぶたをメイクしていきます。
「ピンクと相性がいいので、オレンジを少し足しました。キラキラ、メタリック、ツヤツヤの3つのテクスチャーを組み合わせることで、見た目がいろいろ変わります。自分で鏡を見るときは真正面にしか視線はいかないですが、人の視線はいろんな角度から向けられるので、アイメイクを楽しんでほしいですね。長沼さんはお肌色がすごく明るいので、茶色よりはピンクで陰影をつけてあげたほうがいい」
「ブラウンで落ち着かせたほうがいいのかなと思っていたのですが、華やかな色があったほうがいいですね。ピンク系とブラウン系は相反するものかなと思っていたので。ピンクを重ね合わせる発想は今までなかった。でも、意外になじんで際立っていますね」
これまでと違うアイメイクの仕上がりに、長沼さんも満足そうです。
最後に、テレビ出演をする長沼さんにとって、とてもためになるメイク術を好川さんが教えてくれました。
「口角のところにコンシーラーを入れると下からライトが当たっているように見えて明るく*なります。上唇の影を消して*、自然と笑っているように見えるんですよ」* メイクアップ効果によるもの。
「それはすごくいいことを聞きました。今度テレビに出るときに試してみたいと思います」と感心する長沼さん。トップアーティストに施されたメイク術に「ちょっとしたことですごく変わりますね。とても勉強になりました」
メイクが完成した長沼さんの顔を見て、「すごくきれいになりました」と言う多田さんに、「無理やり言わせました(笑)」と長沼さん。さまざまなアドバイスを受けて、これからの『おはよう朝日です』では、より美しい姿を見せてくれるに違いありません。
楽しくショップめぐりをする2人ですが、おなかも空いたところでランチをとることにしました。
多田さんはうどんが大好物、長沼さんは以前、大阪・淀屋橋にある本店を訪れたことがあるということで、大丸心斎橋店本館10階レストラン街の「青空blue」で食べることにしました。
本店も統括する店主・松井宏文さんが、2人を個室に案内します。
「本店を訪れたとき、うどんの概念が変わった」と言う長沼さんに、「マジ!?それ大袈裟に言いすぎちゃう?」とツッコミを入れる多田さん。
長沼さんは、その理由を続けます。
「うどんって、色が白いというイメージがあったんですけど、『青空blue』さんのうどんはお蕎麦のような見た目で、食べると本当においしくて、感激したんですよ」
メニューに載ったざるうどんの写真を見た多田さん、「えー、これがうどんなの? 確かに蕎麦かなと思った。これは期待してしまいますね」
松井さんは元々蕎麦の名店「土山人」で長年働いたあとに独立しました。その話を聞いた長沼さんは、「実は私も、谷町四丁目にある蕎麦屋で働いていたことがあります」
長沼さんが働いていた蕎麦屋の店名を聞いた松井さんは、「そこのオーナーは『土山人』時代の後輩になります。この店をオープンする前に、小上がりの和紙の部屋を見て参考にしたんですよ」
長沼さんは、「そうなんですね!『青空blue』さんの内装や置かれているオブジェがステキだなって思ってたんです」
メニューを見て、いろいろ迷った2人は、ざるうどん、ざる天ぷらうどん、そして巻き寿司(半分)を注文しました。
多田さんはうどんが大好物ということで、その理由を聞いてみました。
「小さい頃から母親がずっと食べさせてたみたいで、その影響があるかもしれません。具材はなにも乗せずにうどんだけ食べるのが好きで、麺が好きという感じ。週2、3回は食べてます」
「えっ、そんなに!冷たいのと温かいのはどっちが好きなの?」(長沼)
「それは季節による。夏は絶対冷たいのやし…あっ、でも冬でも結構冷たいのが好きかなあ…」(多田)
「私は冬は卵あんかけみたいのが好き」(長沼)
「うわ!ちょっとそれ待って!けいらんみたいなやつ!」(多田)
またまた、2人の楽しい掛け合いが始まります。
「あんかけやから、さらに温かさが保たれてて…」(長沼)
「わかるよ、ずっとな」(多田)
「卵がやわらかくて、あれ好き」(長沼)
「わかるわかる。あれおいしいから」(多田)
「わかってくれて、ありがとう」(長沼)
「冬といえばそれや」(多田)
「極寒で、もう無理ってなったときに、あれ食べたら元気出る」(長沼)
「最後まであったかいもんな」(多田)
まるでキャンパスの学食で学生たちが話すようなノリで、とめどなく会話が続きます。
ここで、ざるうどん用のつゆと塩が届きます。
「塩?」と不思議そうな顔をする多田さんに、「これよこれよ。やっぱり本当においしい蕎麦とかうどんって、最初は絶対塩で食べます。それで麺のよさが際立つ」と長沼さん。
塩で麺を食べることはあまりなかった多田さん。「試してみよう」と期待が膨らみます。
うどん大好きな多田さんは、木曜と金曜の番組終わりには、朝日放送の社員食堂で必ずうどんを食べているそうです。
1月に番組が始まるまでも、2人はエレクトーン奏者仲間として一応知り合いではあったそう。オーディションを受けて2人で担当することが決まった頃から、よく話をするようになったとのこと。
「ひとりだったら抱え込んでたかもしれないですけど、2人でシェアというか共有できるのでほんとに助かってます」と言う長沼さんに、「そうですね。『おは朝』って、スタッフの方も出演者の方もとてもいい人ばかりでめちゃくちゃいい環境で」と多田さん。「本当に。風通しもすごくよくてオープンな感じです」と長沼さん。
ここで太巻き寿司が届きます。玉子、うなぎ、マグロ、みつば、しいたけ、かんぴょうが入っています。
「豪華〜。玉子の色が濃くて、味が甘くてしっかりしているのが、印象的です」と長沼さん。
玉子には、うどんのだし、かえしも入っていて、玉子焼きというよりはだし巻きに近い味となっています。
ここで、うどんを持って松井さんが再び登場です。
「蕎麦の名店で長く働いていたのに、うどん店を出そうと思ったのはどうしてですか?」
長沼さんの質問に、松井さんは、「蕎麦屋で勤めているとき、仕入れ先が精白されていない粒のままの小麦(玄麦)を送ってくれて。一度臼で引いてみたら粉になるし、手打ちすると、こういう色のうどんになって、味があってすごくおいしかったんですよ。これは、いずれ自家製粉のうどん店が出てくるなあと思っていたら、15年ぐらい経っても出てこなかった。それで独立するときに自分がやろうと思って、うどん店にしました」
それではお待ちかねの自家製粉粗挽きざるうどんを食べてもらいましょう。まずは長沼さんが先ほどの言葉通り、「まずは塩でいただきます。うわーやっぱり概念変わる、喉ごし最高! 香りがすごい。おいしい」
多田さんも塩をつけてひと口啜り、「ほんまや。へえー。蕎麦は年末に年越し蕎麦を食べるぐらいですが、うどんを食べてるのに、若干蕎麦の香りがする」という言葉に、「僕が思うに、蕎麦の実も小麦の実も穀物って結局似ているなあって。殻をつけたまま実を挽くと味がありますよね」と松井さん。
ざるうどんに続いて、海老天ぷらうどんに付いている天ぷらを2人で分け合います。天ぷらは海老2尾、ナス、パプリカ、ゴボウ、カボチャが入っています。ここでも2人の掛け合いをお楽しみください。
「海老天が本当に好きで、やっぱり塩! おいしー。プリっとしていて、身がぎっしり入っている」(長沼)
「それそれ!うわ、ナスうんま!」(多田)
「ごぼうの天ぷらがすごくおいしい。カボチャもやわらかい。ホクホクしている」(長沼)
「ほんとに?カボチャって硬くてそんなにやわらかくないやろ?」(多田)
「いいから食べてみ」(長沼)
「ほんまや!やわらかい。塩と合うわー」(多田)
「ねえ。甘さが引き立つよね」(長沼)
「そうそう。それが言いたかった」(多田)
これまで麺や天ぷらを塩で食べることがあまりなかった多田さん。どうやらそのおいしさに目覚めたようです。
「和菓子がめちゃくちゃ好き。温かいお茶といっしょに食べると落ち着くのよね」(多田)
「わかるわー。抹茶が好きで、その渋さが和菓子の上品さと合う」(長沼)
「生クリームとかよりもな」(多田)
「生クリームもいいんだけど、やっぱり日本人は和菓子だね」(長沼)
2人の好物、うどんランチで大満足したあとは、やはり2人がともに好きな和菓子の店を訪れます。
「たねや」は滋賀県の近江八幡で1872(明治5)年に創業。その後、関西一円や東京などへも進出し、今では全国的に知られる和菓子の名店となっています。
「僕、『たねや』さんの中では、『ふくみ天平』がめっちゃ好きなんですよ。正月はいつも仏壇にお供えして、自分でもいただきます」と多田さん。
「ふくみ天平」は、1983(昭和58)年に販売を開始した「たねや」の中でも人気の定番菓子です。
「最中と、餅が入った棒状の餡が別々にパッケージされていて、食べる直前に自分で挟んでいただく。それが毎回楽しくて」と言う多田さんに、「なるほど。最中が水分を吸収しないで、サクサクのまま食べられるんだ。楽しい。これは確かに人気が出るはず。日持ちもするので、おもたせにもいいね」と長沼さん。
「和菓子の中でなにが好き?」という長沼さんの質問に、「やっぱり、あんこやねん」と答える多田さん。
「つぶ餡派?こし餡派?」(長沼)
「僕は絶対つぶ餡」(多田)
「私も基本はつぶ餡が好きなんだけど、お菓子の種類によってはこし餡でもいいなと思うときもある」(長沼)
「それはそうやね」(多田)
「あんこといえば、『たねや』さんのどらやきも自分の中で定番」と言う多田さんに、「どらやきは、北海道産小豆と白小豆を使った2種類のつぶ餡を使っています。白小豆は天気などの影響でとれない時期もあり、とても貴重な小豆で、すごくあっさりしていておいしいですよ」とスタッフ。
2人は、近江八幡にあるたねやグループのフラッグシップショップ店「ラ コリーナ近江八幡」に行ったことがあるそうです。
「できたてのバームクーヘンおいしかった」と言う長沼さんに、「風景もきれいでいいよね」と多田さん。
⼤丸⼼斎橋店限定で「たねや」の和菓⼦と「バームクーヘン mini」の詰め合わせを販売しています。
「たねや」とゆかりのある建築家として、大丸心斎橋店を設計したウイリアム・メレル・ヴォーリズがいます。近江八幡を拠点とし、「たねや」とも家族ぐるみの交流があったと伝えられています。そのヴォーリズがデザインした大丸心斎橋店の意匠をモチーフにしたのが、お干菓子ヴォーリズ。大丸心斎橋店限定販売で、建築好きの間で手土産として人気を呼んでいます。
2人が好きなフードの店2軒を回ったあと、今回の百貨店めぐりで最後に訪れたのが「@aroma(アットアロマ)」。天然素材にこだわったアロマオイルをそろえる香り専門ブランドが直営し、香りの体験もできるコンセプトストアです。
「自宅でリラックスするためにアロマキャンドルやお香を焚くのが好きです」と言う長沼さんに、「母親が好きで、お香を家で焚いています」と多田さん。2人を案内してくれるのは、店長の平井実結さんです。
まずは長沼さんに好きな香りの傾向を聞く平井店長。
「清潔感がある香りが好みで、華やかなフローラルな香りも好きです。春なら桜の香りなど、季節やシーンに合ったコンセプトのある香りも好きですね」
それではと平井店長、店内に設置されているディフューザーマシン、アロマシャワーテスターへと案内します。
12種類の香りを用意し、ボタンを押すと香りのシャワーを体感できるディフューザーマシンに、2人は大盛り上がりです。
「まずはこの『C03 クリーンフォレスト』を試そう」(長沼)
「これいいね! あまり大阪では味わえないような香りで落ち着く」(多田)
「落ち着くねえ。温泉に入りたくなる。次は、“誰からも好かれる香り”と紹介されている『B01 オレンジグレープフルーツ』いっていいですか?」(長沼)
「うわー、これめっちゃいい香り!」(多田)
「間違いないね」(長沼)
次に「JB05北海道薄荷」の香りのシャワーを浴びた多田さんは、「これ、僕好きかも」。
多田さんの言葉を受けた平井店長は、「JBシリーズは、日本の自然や文化を香りで表現したものです」と、アロマオイルのボトルが約70種類並ぶ中のJBシリーズの一角へと誘います。
JBシリーズは、「JB01 青森ひば」、「JB03 高野槇」など、日本各地の香りがあり、香りを嗅いだ長沼さんは、「その場所に行った気になれるようでいいですね」
「JB04 柚子」を薦めながら、「柚子という名前で、香りはブレンドされていて、他にも伊予柑などが入っています」と言う平井店長に、「あー確かに。いろんな香りがするのでいいですね」と多田さん。
さらに興味深そうに店内を見て回る2人。長沼さんは、「香水もあるんですね」と、今年5月にリリースされたばかりの「スキンオンフレグランス」に注目します。
「⾹料は天然の精油のみを使⽤しているので、やわらかく香りを纏っていただけます」と平井店長。
4種類あるフレグランスのうち、「 “上品なフローラルに深く包まれる”と書かれていて、ちょっと気になります」と長沼さんが目を留めたのは「カーミングベール」の香り。
「フローラルではあるのですが、どちらかというと木質系の香りがしっかり広がります。サンダルウッドやシダーウッドの落ち着いた香りとなります」と平井さん。
一番人気のフレグランスは、「モーニングデュー」だと説明してくれる平井さんに、「もう名前がステキ」と長沼さん。
ムエットで「モーニングデュー」の香りを試す2人に、「ちょっと爽やかで、日中でも使いやすく、それほど好みが分かれないタイプの香りです」と平井店長が解説すると、長沼さんと多田さんは「確かに確かに!」とハモります。
「絵具みたいなものがありますね」と長沼さんがさらに注目したのは、「センティッドカラーズ:香るアクリル絵具」です。
「まさに絵具なんです。6種類の色をイメージした香りづけをしていて、たとえばハンディキャップのある方も香りをたよりに絵を描いていただけます。『アットアロマ』と画材メーカー、近畿大学の学生さんなどが共同で開発しました」という平井店長に、長沼さんは、「目が不自由な方も、香りで色を判断するのか、すごいなあ。ただ香りを提供するだけの店じゃなくて、香りをいろんな視点で伝えてくれるのがいいですね」
いろいろと香りを体験した2人に、どの香りが好みだったかを聞いてみました。
「柑橘系が好きかな」と言う多田さんに、「JBシリーズの柚子とかいいよね」と長沼さん。
柑橘系が好きという2人に、平井店長が薦めたのが、City series大阪(OSAKA)です。
「オレンジやベルガモットがベースの柑橘系なんですけど、ブラックペッパーも入っていてちょっとスパイシーさがあります」
「これはこれで好き。この香りは大阪をイメージしているのですか?」と聞く長沼さんに、「はい。大阪の人の親しみやすさを柑橘系で表現し、個性の強さをブラックペッパーで表しています」と平井店長。
二人それぞれお気に入りの香りが見つかったので、ライフスタイルの中でも生かしてくれそうです。
「冬寒いとき、夜などはいい香りで満たされたい。お風呂がすごく好きなので、柚子の香りに包まれて入りたいなあ。1日外出していて神経を使ったという日には、何も考えずにこの香りとともにリラックスタイムを過ごしたいですね」(長沼)
「あんまり家で落ち着きたいという時間はないなあ」(多田)
「本当? でも大事よ。本当に大事」(長沼)
「そう?」(多田)
「今の社会って情報量が多すぎて疲れてしまう。ビルなど人工的なものに囲まれた都会の暮らしの中、自然の香りで落ち着くのはいいと思うよ」(長沼)
「そうかあ…よし心がけよう!」(多田)
今年の1月からテレビ番組に出演し始めて、これからエレクトーン奏者としてもどんどん忙しくなるであろう長沼さんと多田さん。リラックスタイムやリフレッシュタイムに香りを取り入れながら、ますます活躍していく未来に期待しましょう。
2001年生まれ。大阪府出身。3歳から音楽教室に通い、4歳よりエレクトーン、6歳よりピアノを始める。相愛大学音楽学部音楽学科創作演奏専攻を卒業し、その後さまざまなコンサートでの演奏や、You Tubeへの出演など幅広く活躍。2023年にはエレクトーン演奏グレード2級を取得。2025年1月から『おはよう朝日です』のエレクトーン奏者として月曜・火曜・水曜を担当する。
2003年生まれ。大阪府出身。エレクトーン奏者の母の影響で3歳からエレクトーンを始め、コンクールで全国優勝をするなどの輝かしい実績を持つ。現役大学生で、2025年1月から『おはよう朝日です』のエレクトーン奏者として木曜・金曜を担当する。
※今回掲載の内容は2025年10月10日現在の情報を掲載しています。
写真/竹田俊吾 取材・文・編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 編集・プロデュース/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
MAGAZINE / SWEETS & COSMETICS & MORE
長沼美衣奈、多田憲伸|エレクトーン奏者
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落合健太郎|ラジオDJ
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SDGs
正木明|気象予報士・防災士