Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
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PROFESSIONAL'S EYES Vol.70
小丸和弘|インテリアデザイナー・都市養蜂家
大阪にゆかりのあるゲストを迎えて大丸心斎橋店を巡ってもらう「PROFESSIONAL‘S EYES」。今回は、大阪・土佐堀に事務所を構え、インテリアデザイナーとして活躍する傍ら、大阪の都市養蜂のパイオニアでもある小丸和弘さんが登場。デザイナーとしての視点から百貨店を巡り、大丸心斎橋店の屋上で行われている養蜂についてのお話もいただきました。
小丸さんが最初に訪れたのは、大丸心斎橋店本館2階にある「MARIEBBELLE THE LOUNGE(マリベル・ザ・ラウンジ)」。ニューヨークで2000年にオープン、日本では、京都と大丸心斎橋店の2店舗しか展開していないラグジュアリー・ショコラトリーです。実は小丸さん、ニューヨークの本店に訪れたことがあるそうです。
「25年前、独立して自分の会社をつくった頃、レストランデザインの仕事が多かったのですが、レストランをつくるのにはいろんな要素がいりますから。若いときなんかは、ちょっと無理して、お金もないのにニューヨークへ行って写真を撮りまくって持って帰って参考にしたりとか。いろんなスタイルを見て、スケール感やカラーリングなどを日本でどうアレンジするかを常に考えて、引き出しを増やしていました」
数多く見て回ったニューヨークのお店の中でも印象に残っているのが「マリベル」です。
「シグニチャーカラーのブルーが目を引く、独特の世界観に圧倒されました。この大丸心斎橋店のお店も、それが踏襲されていますよね」
そのゴージャスでいて上質な世界観あふれるインテリアと同時に、小丸さんが驚かされたのが、「マリベル」のチョコレートだったようです。
「かわいらしくデザインされたガナッシュを、最初ニューヨークの店で見たときは衝撃でしたね。これはなんなんだ! 芸術作品? 食べれるの?って(笑)。20年以上前の日本ではひと粒いくらでチョコレートは売ってませんから、ひと粒でこの値段?ってびっくりした記憶があります。でも、ギフトボックスもとてもステキですし、このチョコをプレゼントされたらすごくうれしいですよね」
そんな小丸さんに、チョコレートドリンクとチーズケーキをご試食いただきながら、インテリアデザイナーとして活躍しつつ、都市養蜂を始めたきっかけについて話を聞きました。
フローズンタイプの冷たいチョコレートドリンク、アイスチョコレートは、アズテックとスパイシーの2種類がありますが、小丸さんは、マリベルの代表的なダークチョコレート・アズテックを選びました。
アズテックのアイスチョコレートをひと口飲んだ小丸さんは、「甘すぎず、大人の味わいですね。おいしい。都市養蜂は梅田で15年ぐらいやっています。きっかけは、インテリアの洋雑誌を見ていて、パリの真ん中で養蜂をやり、そこを拠点にしていろんな人やコトのつながりが生まれているというのを知って。調べるとパリだけじゃなくて、アメリカなどいろんな地域で行われていて。そこから興味を持ち始めました」
続いて、NYマーブルチーズケーキをひと口食べた小丸さん。
「甘さが上品です。もちろんおいしいチョコレートも入っていて、八朔がまたケーキに合います。チョコレートドリンクもいいですが、お酒も飲みたくなりますね(笑)」
ひときわ存在感のあるアンティークのポーターズチェアに座りながら、小丸さんは、都市養蜂を始めた頃の話を続けます。
「面白いなと思ったのは、それぞれが養蜂以外に別に仕事があって、クリエイターが多かったこと。香港はグラフィックデザイナー、ニューヨークのブルックリンではウエディングのプランナーだったり。新しいライフスタイルを求めて養蜂を始めていて。それが地産地消につながったり、地域の人や企業とのつながりができていくとか。これは面白いなと思った。たまたま梅田・茶屋町のヤンマー本社ビルの建物のデザインやオペレーションを提案するときだったので、屋上が使われていないのであれば、こういうこともできますよと都市養蜂を提案しました」
企業側も「これは面白い」と提案が採用され、「梅田ミツバチプロジェクト」を立ち上げた小丸さん。それから15年間都市養蜂を続けています。
「始めた頃、日本でやっていたのは銀座だけで、西日本では初めてでした。手探りで、いろんなことをいろんな人に相談しながら、少しずつやっていきましたね。うまく行かなかったこともありましたが、続けることで仲間も増えましたし、賛同していただける企業さんもこの4、5年で一気に増えた。始めた頃は、よくわからないという世の中の風潮だったんですが、国連がSDGsという言葉を使い出してから、一気にそういったことに興味・関心を持った人・企業が増え、いろんなところからサポートをいただけるようになりました」
この10年ぐらいで都市養蜂の団体も一気に増え、今では、150ぐらいもの団体があるほど認知され普及してきました。
「新しくできた団体のサポートなんかもしています。都市養蜂というのは安全性が担保されないと周りとの共存ができませんので、そこの点に関しては、長くやってきた引き出しがありますので。おかげさまで少しづつ認知も広がり、去年は12の小学校に行って1,000人以上の子どもたちと勉強会をしました。あと、われわれの活動に賛同していただき、アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーさんにもイベントに来ていただきました。そういった面白い話に声がかかるようになったのは、この15年間積み重ねてきたからなんでしょうね」
西日本での都市養蜂のパイオニアである小丸さんに、5年前に大丸心斎橋店の屋上で始まった養蜂について聞くべく、心斎橋はちみつプロジェクトに関わる「L’ABEILLE(ラベイユ)」を訪れました。
「先週、屋上の現場におじゃましました」
心斎橋はちみつプロジェクトに関わる「ラベイユ」を訪れた小丸さんは、まずは店長の下川幸恵さんに、大丸心斎橋店の屋上で行われている養蜂の現場を見たことを報告しました。
「ロケーションがいいですね。周りに邪魔するものがないので、ミツバチたちがイキイキと飛んでいる。場所もわかりやすいし覚えやすいのでちゃんと帰ってこれるし。都心のビルの屋上って結構照り返しもあるんですけど、ここの屋上は芝生を敷いていてそれも少ないので、ミツバチ飼育の環境がとてもいい。梅田の巣箱は、ガラス張りで吹き抜けになっているので、見学会にはうってつけなのですが、ミツバチたちが暮らすには、もしかしたらこちらの環境のほうがいいかも?って思いました。養蜂をするのに、ミツバチたちの飼育環境は絶対大事やと思います」
大丸心斎橋店の屋上で採れた「心斎橋のはちみつ」をまだ味わったことがないという小丸さんに、下川店長が試食を勧めます。
「これは何月ぐらいに採れた蜜ですか?」という小丸さんの質問に、「7月ぐらいです」と答える下川店長。さらに小丸さんは、「4月、5月、6月、7月と4回ぐらいに分けて採蜜します?」と問いかける小丸さんに、「4月はあまり採れないので、5月、6月、7月の3回です」と答える下川店長。
さすが養蜂のプロだけあって、味見をしただけで、どのような時期にどういう花から採れた蜜か、だいたいわかるようです。
「大阪では、蜜源はだいたい3、4週間ぐらいで変わっていきます。だから同じ心斎橋のはちみつでも4月と7月に採れたものでは違う。梅田のはちみつも、5月、6月、7月、場合によっては8月まで採蜜。だんだん色が濃くなってきます」
半径約3km内がミツバチたちの活動範囲ということですが、梅田と心斎橋では蜜源は別々?
「靱公園ぐらいは、若干かぶるかもしれないですけど、この子たちはできるだけ近くで手っ取り早いところに飛ぶ。だから梅田は淀川河川敷が多いですね。わざわざ南に行って心斎橋の花壇は探さない。心斎橋の子たちはどこに行ってるんでしょうね?」という小丸さんの問いに、「大阪城公園や靱公園が多いようです。身近なところに行くということですが、大丸心斎橋店の前に桜のディスプレーをしたときに、ミツバチがいたので、うちの子?って思いました」と下川店長。
世界12カ国、80種類以上のはちみつを取り扱っている「ラベイユ」。季節限定の商品も豊富です。その中から、「山形 藤と春の花」を小丸さんに試食してもらいました。
「藤ってどんな香りだったけ?って思いましたが、和風な味ですね。結構、藤にはミツバチは行くんですよ。一時、四天王寺にミツバチの巣箱を置いたことがあって、その年から境内の藤の咲く量が倍になったんですよ。2週間ぐらいしか咲いてないけど、そのときに一気にハチが蜜を採りに行く。そうすると花がイキイキ、ツヤツヤしてくるんですよ」
小丸さんが言うように、都市養蜂のいいところに、ミツバチが受粉することで、緑や花が増えていくということがあります。
「それが都市養蜂の大きな魅力のひとつです。我々は、たくさん収穫して売るということを目的としてませんから、ミツバチに人間のライフスタイルを良くするために働いてもらう。副産物としてハチミツが採れるので、それをていねいに処理して味わってもらう。こんなおいしいハチミツが百貨店の屋上で採られるなんてびっくりしますよね」と小丸さん。
そんな地球を豊かにする循環に興味を持つ人が増えてきて、小丸さんが関わっている女性養蜂家育成プログラムを卒業した人が、今心斎橋はちみつプロジェクトに参加しているそうです。
「今年で4年目ですが、ゲランとユネスコがスタートさせた『WOMAN FOR BEES(ウーマン・フォー・ビー)』というプロジェクト。もともと貧困国の女性の地位向上というのがスタートで、今8カ国ぐらい広がっていて、日本では梅田ミツバチが初めての参画なんです」という小丸さんに、「うちのスタッフでも養蜂をやりたいと入ってくる人は多いですね」と下川店長。
養蜂に関わると、本当にミツバチたちが愛おしくなってくるようで。「ミツバチかわいいですよね」と微笑む下川店長に、小丸さんは、「養蜂を始めると、だんだん“うちの子”って言い出しますよね(笑)」。
「ずいぶん昔にニューヨークの『ディーン&デルーカ』に行ったときに初めて見て、なんじゃこの飴!って衝撃を受けていっぱい買ったんですよ。それから時々買っています」
小丸さんを魅了したキャンディは、「PAPABUBBLE(パパブブレ)」。スペイン・バルセロナを本店に世界中に展開し、日本では21店舗あります。
「全国で、キャンディを店内でつくっているのは5店舗あって、西日本だと大丸心斎橋店だけです」と店長の安岡友梨香さんが言うように、店頭でキャンディづくりの実演を見ることができます。この日つくられていたのは、大阪限定デザイン、マスカットライチ味のトラです。
「飴をこねたり延ばしたりするのも面白いんですけど、切るのがすごい。速いんですよ。パフォーマンスが見事で、日本伝統の金太郎飴の手法なのにスペイン発っていうのが面白い」
さすが「パパブブレ」通の小丸さん、飴づくりの様子を解説してくれます。
「楽しそうな職場でいいですね。まあまあ体力いると思いますけどね。あっという間に腕がパンパンになりそう」
感心しながらも楽しげに飴づくりを見ている小丸さんに、飴職人のスタッフは、「体力は必要ですね。飴は、まず積み木みたいな感じで重ねた塊を細くしていき切ります。大事なのは丸い状態で細く伸ばすこと。少しでも楕円になってしまうと絵柄が歪む。そこが難しいです」。
職人の熟練の技で、できあがったトラの絵柄のキャンディを口にした小丸さん。
「できたてだからあったかいですね。『パパブブレ』さんの飴って、舐めるのもおいしいんですけど、噛んだときのシャクシャクした食感も好きなんですよ」
さらに小丸さんは、「こうやってライブで飴づくりが見られるコーナーがあるのとないのとでは店の楽しさも全然違いますね。外国から来られた方も喜んでいますよね」と続けます。
トラのほか、たこ焼きやヒョウ柄の大阪限定キャンディが人気だそうですが、それ以外にも「スター・ウォーズ」とコラボした商品などが並びます。
ボタンを押すと光るキャンディを持って、「これは誰が食べるんでしょうね?」と言う小丸さんに、「海外のお客様やお子様が光らせるのが楽しくて購入されます。“ワクワクしなくちゃお菓子じゃない”というのがパパブブレのテーマですから」と安岡店長。
安岡店長は、さらに「この宇宙の絵柄のキャンディを見てください! 光で透かして見ると、UFOに人が吸い込まれる絵柄になっているんですよ」
店長に促されて、目を細めながら、キャンディを見ていた小丸さん。
「本当だ! これは楽しいぞ。やはり店づくりには楽しさというものが必要で、キャッチーな楽しさもあれば、なんとなく楽しくなる色遣いや空間も大事ですね。『パパブブレ』がすごいのは、店舗デザインのベースが黒で、それゆえカラフルなキャンディが映える。そのへんは計算されていると思いますよ」
「お酒は、切羽つまって、どうしようもなくなったときに飲みますね。だいたい毎晩切羽つまってますけど(笑)」
そう冗談混じりにお酒について語る小丸さんですが、続いて訪れたのが地下2階にある、世界のお酒をそろえる「Liquorshop GrandCercle(リカーショップ グランセルクル)」です。
ワイン、特に白ワインが好きという小丸さんに、ソムリエの橋本高志さんが、「最近はどんなワインをお飲みですか?」と尋ねます。
「最近は気温も上がってきましたので、わりとさっぱりめの白ワインをいただくことが多いですね。フランスにこだわるわけではなく、南アフリカやチリのワインも好きですし。オレンジワインなどもよく飲みます。今はいろんな飲みやすい白を選んでいます」と小丸さん。
小丸さんの言葉を聞いた橋本さんは、「さまざまな国のワインを飲んでいらっしゃるので、当店でおすすめしたいのは、大丸興業で直輸入をしているドイツの『FREY(フレイ)』というリースリングのビオワインです。リースリングといえば昔は甘いというイメージがあったかもしれませんが、これは辛口ですっきりとしていて、食事にも合わせやすいです」
橋本さんが手に持つ「フレイ」のボトルを見ながら、「エチケットのデザインもいいですね、シンプルで。エチケットが美しいというのは、ワインを買うときの大きな要因になりますよね。一時スペインのワインのエチケットが、斬新で話題になりましたけど。ドイツもずいぶん変わってきっているんですね。こういうシンプルなデザインは棚に並んでいてもカッコイイし、いいですね」と小丸さん。
リースリングの他にも、シャルドネ、赤のカベルネソーヴィニヨンやピノノワールなどがそろっている「フレイ」のワイン。直輸入ゆえの値段の手頃さもあるので、おすすめです。
橋本さんは、さらに日本酒のコーナーへ。百貨店ではあまり置いていないということで、「風の森」を勧めてくれます。
「どんな飲み口なんですか?」という小丸さんの質問に、「メロンの風味がするというか、フルーティでシュワっと微炭酸で飲みやすいですね。日本酒が苦手な方の入口になるんじゃないかと思います」と橋本さん。
人気がありすぎて、今は1人1本限定販売となっており、「毎日買いに来るお客様もいらっしゃいます(笑)」と橋本さん。
最後に、ワインと並んでウイスキーが好きという小丸さんへのお勧めとして橋本さんが選んでくれたのが、タイのシングルモルト「PRAKAAN(プラカーン)」です。
「2カ月ぐらい前に入ってきたばかりですが、これが結構おいしいんですよ。ちょっと甘さもあり、辛いタイ料理によく合います」と橋本さん。
「プラカーン セレクトカスク」の香りを嗅いで、ひと口飲んだ小丸さん。
「結構パンチがありますね。しっかりしたモルトの味わいがあり、タイでウイスキーをつくっているイメージがないから意外でした。これは面白い、というかおいしいです。常温の水で割るといいかもしれないな。このウイスキーは、知っていたらなんかうれしいですね」
「川沿いでつくられていて、気候が暑いので、早めに熟成するようです」と説明してくれる橋本さんに、小丸さんは、「これからもっとよくなっていくんでしょうね。ハイボールにしても旨いと思います。いいお酒を紹介していただいてありがとうございます」
最後に訪れたのは、地下2階の心斎橋フードホールの中にある「道頓堀今井」。こちらのうどんの味は、小丸さんが幼少の頃から慣れ親しんでいたようです。
「叔母が京都に住んでいたんですけど、舞台が好きで。大阪松竹座や国立文楽劇場によく連れていってもらったんですけど、僕は舞台よりも、その後に連れていってもらった『道頓堀今井』さんのほうが楽しみだったんですよ。大人になってからは、新幹線に乗る前、飛行機に乗る前に、最後にちょっとうどんを一杯いただこうという感じでよく食べています」
「こういうフードホールで『道頓堀今井』さんのうどんを食べることができるのはいいですね。『はり重』さんもここにあるんですね。ここも叔母によく連れて行ってもらったなあ…」
叔母さんには、他にもいろいろな店に連れていってもらったそうですが、圧倒的に「道頓堀今井」の回数が多かったそう。
「叔母は好き嫌いが激しい人だったんですが、うどんと豆腐は大好きで。僕に『うどん食べたいんやろ?』と聞くんですけど、自分が食べたいだけやろって(笑)。子どもの口には甘い揚げがごちそうだったし、うどんがやわらかいのもいい。小さい頃からネギがすごく好きで、どっさり入ってたのもうれしかったし、もちろん出汁もバツグン。シンプルな素材の組み合わせながら、おいしいうどんを毎回楽しみにしていました」
江戸時代に芝居茶屋として創業し、楽器店を経て、昭和21年に開店した「道頓堀今井」。小丸さんも小さい頃から通う、心斎橋やなんばがある大阪・ミナミの魅力について聞いてみました。
「ミナミは、個店で味がある店…路地をちょっと入ったところにあるような、店主ひとりや家族で長くやっているような店へはフラっと入ってみたくなりますね。その店ならではの個性というのが、もしかしたら最近のキタにはない面白いところかなって思いますし、それが残ってほしい。大変やと思いますけど、いろんなものが残っていってほしい。百貨店でこういう昔ながらの味が気軽にいただけるというのはありがたいですね」
最後に、10月4日(土)に大阪・関西万博の会場内で開催、小丸さんが登壇する大丸心斎橋店主催のイベントについて話を聞きました。
「このイベントのテーマは、『ビジョナルリーダーと“都市のウェルビーイング”を考える』なんですが、私は、「都市養蜂で自然豊かな街に」についてお話をさせていただきます。今僕たちが都市環境をよくするために何をするべきか? 都市養蜂も、よりよいライフスタイルをつくるための一つのエッセンスとして、何かアクションを起こそうということです」
都市で暮らす人が、仕事をするだけでなく、それにプラスアルファをしていくのはいいと言う小丸さん。
「お米をつくったり養蜂をしたり、いろんなトライをすることで、ライフスタイルがちょっと変わってくる。土を触るとか魚に触れるとか、ちょっとスローな自分をつくるとこともやってみてはいかがですかという提案ですね」
以前は働きづめで、仕事以外は何もできていなかったという小丸さん。都市養蜂に関わるようになって変わったと言います。
「自然のサイクルの変化に気づくんですよ。去年の今頃と今年を比べると違う。さらに3年前、10年前と比べたら、びっくりするぐらい違います。雨の量なども、めちゃくちゃ降る年もあれば、全然降らない年もある。そういう自然の移り変わりなど、都会のマンションの中にずっといるだけと気づかないことに気づきます。そういうことを話したいですね」
イベントは、10月4日(土)に大阪・関西万博のウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier2階「WA」スペースで開催。第一部(昼)ではワークショップ、第二部(夕方)ではトークショーを予定しています。大丸心斎橋店のイベント詳細ページでは8月上旬にイベントご招待(20組40名様)の参加募集も行いますので、ぜひチェックしてみてください。都市生活を豊かにするための養蜂について、どんな話が飛び出すか楽しみです。
1965年兵庫県生まれ。1990年にインテリア業界に入り、2000年に独立し、株式会社クルールを設立。レストランを中心にさまざまな店舗のデザイン、プロデュースを手掛ける。2010 年にデザイン業務と並行して「梅田ミツバチプロジェクト」発足、2012 年大阪府と緑化活動の連携協定を締結、2013 年 NPO 法人化。2017 年に 6 次産業ブランド「大阪ハニー」を立ち上げ、現在に至る。
※今回掲載の内容は2025年5月20日現在の情報を掲載しています。
写真/西島渚 取材・文・編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 編集・プロデュース/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
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西村円香|グルメライター